第2期 日本の伝統技術を携えて海外を目指す「インストラクター養成講座」

産業人文学研究所(CfSHE)が運営する国際木版画ラボ(MI-LAB)では、1997年から海外のアーティストや教育者に向けて、水性木版画(以下、「木版画」)の研修の機会を提供してきました。

これまで200人以上が卒業し、そのうち博士号を取得した方が6名、図書刊行7件、教職に就いた方28名、スタジオ開設39件、研究者となった方22名、自国でのアーテイスト・イン・レジデンス開設が6件となっています。
このような背景から海外大学生が来日しての夏季ワークショップ、また大学教員から木版画技法や裏打ち、和綴じなどの研修を受けたいとの要請も増えています。これまで木版画及び表具に関する領域では一般的に技術中心で指導されてきましたが、MI-LABにおいて近年高い評価を得ているのは、日本で発達した道具、素材、表現方法の来歴や過去の社会的背景などの解説を交えて技法指導をすることで、理解が深まるという点にあります。

当講座では、海外において日本の伝統技術を指導するとともに、素材や道具の来歴や自然観などについて、英語による解説ができるようになることを目指します。
これにより海外のアーティストに対して、自然観に培われた日本の材料や道具による表現方法の成り立ちを伝えることができ、より深い理解を醸成できます。海外の美術系機関でこれらを教育する機会も増えることが期待できます。日本独自の和紙をはじめとした材料や道具分野の活性化に寄与できるでしょう。
同時に、日本人アーティストの新たなキャリア形成を目指しています。
したがって、木版画を基本として制作し、海外を目指すアーティストの参加を歓迎します。

2017年度は4人の受講生へインストラクター養成講座を実施しました。
書誌学を背景とした木版画を理解し、裏打ち、和綴じ、折本などに代表されるわが国の製本技術の実技や道具・材料に関してまとめた指導のためのハンドブック作成のための議論に取り組みました。
2018年度は2017年度と同様のプログラムに加え、オプションとしてこのハンドブック完成へ向けての内容精査も取り入れる予定です。それに伴い、2017年の養成講座で議論した「Contemporary Mokuhanga Handbook」を読んでのコメントや、精査に向けてリサーチを講座内で提出していただくことがあります(詳細は説明会にて)。

当講座における伝統的技術の主な対象項目:
「木版画・和綴じ・折本・裏打ち」

※ 当講座は座学やワークショップの授業だけでなく、協働でテキスト作りや指導方法の議論を深めるため、参加者の積極的な提案や主体性が求められます。初回のオリエンテーションで上記の対象項目から分野を選択し、開講期間を通じて、それぞれに担当分野についてのリサーチやテキスト化を行います。最終回では英語のプレゼンテーションができるようになることを目指します。


実施要項

主催産業人文学研究所
定員4名
募集資格30歳前後の水性木版画を中心として制作活動中のアーティスト
日時と内容第1回 9月1日(土)
参加者の従来実施している指導内容をプレゼン形式で披露
トゥーラ・モイラネンによる指導デモと各参加者の指導内容についてのコメント
第2回 9月8日(土)
木版画の指導全般やテキスト、道具材料に関わる英単語の習得
第3回 9月29日(土)
ばれん職人によるばれん包み替え、ベタ摺りの実技指導
第4回 (日程調整中)
裏打ち、和綴じ実技指導
第5回 11月10日(土)
【午前】折本実技指導
【午後】木版画英語指導方法の学習
第6回 12月8日(土)
英語による指導内容の発表
*プログラムの内容やスケジュールについて、随時見直しが行われる可能性がありますがご了承ください。
講師日本の伝統技法の来歴について・・・楚山哲雄、楚山俊雄、後藤英彦
水性木版画の英語による指導方法・・・ トゥーラ・モイラネン、ニッコロ・バルバッリ
英語指導の定型化・・・ 藤岡勇人
参加費¥50,000 (税別)
会場CfSHEギャラリー(アーツ千代田3331内 B109)

※上記6回の講座の他に、書誌学の理解を深めるため巻物実技のワークショップ3日間実施します。日程は指導者、講座参加者で調整の上決定します。


説明会

日時2018年8月3日(金)18:00~19:00
会場CfSHEギャラリー
東京都千代田区外神田6-11-14 アーツ千代田3331 B109
電話050-3304-9001
申し込みコンタクトフォームよりカテゴリー「Seminars/Education program/セミナーや教育プログラム」を選択し、質問内容へ説明会名を記載の上、送信ください。日程が難しい方もこちらへご相談ください。