J-AIR Network Forum

Japanese Artist-in-Residence Network Forum

第11回RES ARTIS総会報告

Forward

アーティスト・イン・レジデンスの世界ネットワークRes Artisの総会が2008年10月、オランダ・アムステルダムでありました。その概要の報告です。

今回のRes Artis第11回総会は、2008年10月9日(木)から12日(日)の4日間、「General Meeting & Conference RES ARTIS 2008 Amsterdam」 として、Smart Project Space他を会場として、同スペースに共同事務所を設置しているTrans Artistsとの共催で行われました。 参加者は40カ国、120名以上、日本からは、4団体5名が参加しました。(瀬戸国際セラミック&ガラスアート交流プログラム、東京ワンダーサイト、アート・ビオトープ那須・小豆島、S-AIR・札幌、遊工房アートスペース・東京)小豆島は2009年から新たにスタートで新入会、富田さん参加。 S-AIRは、小田井さんTrans Artists研修中の立場で参加。その他は、瀬戸、宮永さん、TWSは家村さん、遊工房は両村田で参加です。

総会は、「Artists in Dialogue, transforming communities」を統一テーマに、多様なAIR活動の紹介や議論、さらに、新たなEUメンバを迎えてのAIR設立や運営の相談機能の充実を目的とした「メントリング・プログラム」など現実を見据えたホットな話題が取り上げられ、 Maria Tuerling会長兼実行委員長のもとに相互理解と活発な議論、そして交流がなされ、多くの成果のあった総会となりました。

海外におけるさまざまな形のAIR活動の存在や、国境を超えた国内外のアーティストの活動の実態を、より多くの日本の若いアーティストが知るとともに、これらの活動に積極的に参画をすることが期待されています。 そのためにも、Res Artisへの参加や、日本国内の活動がもっと認知される工夫が必要と感じました。

J-AIRネットワーク会議の皆さんから届いたPR資料は、Res ArtisやTrans Artistsの事務所が入っているSmart Project Spaceのオーディトリウムや会議室を中心に展開され、会場内のRes Artis総会専用コーナにて、各国の資料の検索やピップアップが出来るようにしていました。 それぞれの資料は、総会参加者の目に触れやすく、会期中でほぼ消化していたと思います。


尚、次回総会は、2010年10月、カナダ・ケベック州モントリオール市で開催が決定されました。

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新体制の概要

組織の新体制については、2007年に運営体制などの変革と役員改選がなされましたが、今回の総会では、会長、副会長の交代と、役員補充の選挙があり、次の通りとなりました。

会長
Mario Caro(米) Longhouse Education and Cultural Center
副会長
Marijke Jansen(蘭) Amsterdam Vluchtstad
事務局長
Sitabile Mlotswha*(蘭) Thamgidi Foundation
財務担当
Karol Fruhauf(スイス) Bridge Guard Art/Science Residence Centre
運営委員
  • Nick Tsoutas(豪) Casula Power House Arts Centre
  • Tatsuhiko Murata(日) Youkobo Art Space
  • Richard Perram(豪) Bathurst Regional Art Gallery
  • N’Gone Fall(仏、セネガル) Independent Curator
  • Geo Xinxin*(中) Beijin Studio Center
  • ToddLester*(米) freeDimensional

*印の3名の方が今回の総会で新たに選ばれました。
Maria Tuerlings会長、Rudolf Brunger副会長は任期満了で交代、Cristina King Miranda委員(メキシコ)は本人都合により退任しました。
尚、運営委員と評議員の2段階体制は2007年の役員改選時に解消しています。

役員会は、Skype会議で隔月程度で開催しています。また、地域会合として、東ヨーロッパ、北アメリカ、東アジアなど、適時開催され参加するようにしています。

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総会の概要

3日間の総会の内容は、会議の他、基調講演、ワークショップ、展示会、交流会、市内アートツアーなど連日盛りだくさんのプログラム内容で、4日目の最終日には、アムステルダム郊外にある活発にアート活動を行っているArnhem市、そして、De Hoqe Veluwe国立公園のKroller Muller美術館を訪ねる機会もありました。

(1)基調講演(3氏)

Goran Stefanovski:旧ユーゴスラビア(マケドニア)出身、英国カンタベリ在住
脚本家、劇作家
Nora Naranjo-Morse:米先住民族出身、米国コロラド在住
彫刻家、作家、映画作家
Koulsy Lamko:アフリカ・チャド出身、中央アフリカ在住
作家・著述家(詩、小説、劇)、俳優

(2)活動事例発表(2件)

・Res Artis Award報告と提案(2件)
Res Artis Award 2006
ダカール・ビエンナーレ2006時アフリカ・アーティストを対象に表彰、その後のオランダでの受入実態の報告(IFAA festival): Thamgidi Foundation
Res Artis Award 2009

欧州地中海地域で活躍する若手アーストを対象に表彰

BJCEM 2009, Skopje時に選考(2009/9):Biennale of Young Artists from Europe and the Mediterranean

(3)ワークショップ(各日4件、計12件)

AIR活動の各側面からの問題提起と対話の場。 特に今回は、AIR設立や運営の相談機能の充実(メントリング・プログラム)に関するワークショップは今後のネットワーク拡充のためにも重要なものであったと考えます。(以下、タイトルのみ参考添付)

1日目(10/9)
  • Towards a new European Hospitality
  • Exploring Diversity,-how arts and culture organization address the transforming communities we live in.
  • Online Tools in a Cultural Setting
  • Aims and challenges of artist mobility in connection to residencies in the Middle-East, Africa and Europe
2日目(10/10)
  • Res Artis mentoring program
  • Artists’residencies after Nifca
  • The RAIN-Network and beyond
  • The role of residencies in contemporary art production
3日目(11/11)
  • Mobility, Safe Haven and Refuge
  • Exclusivity and Diversity
  • Corporate Support of the Arts
  • Issues for West Africa

(4)その他総会中の関連イベントなど

アムステルダム市内スタジオ・ツアー(5か所)10/10(金)

Smart、M4、Rijks Akademie、Agentur、Amsterdam Vluchtstad

韓国キョンギ道・現代美術センターからの特別提案(2009年秋のAIR開所式への招待)

2009年秋、Res Artis地域会合としての位置付けで提案が受理されました。 Dr. Kim Hong-hee(キョンギ現代美術センタ・ディレクタ)、他、議会、商工会、センタースタッフ他の一行がそろい紹介がありました。

(5)オプショナル・ツアー(10/12、アムステルダムからのバスツアー)

Arnhem市訪問(アムステルダム郊外)
  • SLAK Studios会合(市長歓迎挨拶、IFAAフェスティバル紹介など)
  • スタジオツアー Res Artis Award受賞者の活動現場訪問(2006年ダカール・ビエンナーレ時受賞のアフリカ・アーティスト)
  • IFAAフェスティバル見学
Kroller Muller 美術館見学(De Hoqe Veluwe国立公園内)

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